Light Cube

敷地は穏やかな丘に開発された閑静な住宅街。

気候は温暖だが、『遠州のからっ風』と呼ばれる強い季節風が吹く。天竜川下流に広がる平野部では、突風や竜巻が発生し易く、過去には住宅の全壊などの被害も出ている。その様な敷地条件により、クライアントからは、RC造で台風・竜巻に強いシェルターの様な家である事がひとつの条件であった。外観はRC打放しと有孔折板の後ろに窓が隠れる様に配置されている。建物のボリュームは必要最低限とし、広い庭スペースに将来増築する事も想定している。4台分のガレージを確保し、その脇を玄関へのアプローチが延び、建物のボリュームに対して窪んだ位置を玄関に配置する事で道路が湧から玄関が直接見えないようにしており、玄関からLDKへは敷地の段差に合わせ、１ｍ程度の高低差を階段で上がる。LDKは間仕切りの無い空間で、吹き抜け上部のトップライトから陽射しが全体を温かく包み込んで1日を通して明るい空間となっている。２階は各寝室と浴室・洗面が配置され、窓からは有孔折板の孔から陽射しが壁に木漏れ日のような模様を写し出す。均一的になりがちな住宅街に、広々とした庭園とその木々とRC打放しと有孔折板の住宅が、街並みにやすらぎを与えてゆくだろう。